2008年6月16日(月)16:33

EUはアイルランドの否決に対する即効薬を見出せず

ルクセンブルク(AFP)

アイルランド国民のEU改革リスボン条約の否決を受け、EUは速やかな解決策が見出せないままである。ルクセンブルクで開かれた緊急EU外相理事会で、アイルランド、ドイツ、およびEU議長国スロヴェニアは性急な答えを急がぬよう警鐘を鳴らした。ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相(社会民主党SPD)は、「一晩のうちに」危機の打開策が見出せるわけではないと述べた。木曜日からブリュッセルで開かれるEU首脳会議では、各国首脳が協議し、影響を最小限に抑える必要がある。EU拡大の計画も危機に瀕している。ドイツ政府はEU改革を行わない限り新規加盟国の受け入れを認めない意向である。

アイルランドは先週木曜日の国民投票で、53,4パーセントの反対多数でリスボン条約の批准を否決している。アイルランドのミホル・マーティン外相は、「解決案を提示するのは時期尚早に過ぎる」。まずアイルランドがEU各国と共同で否決の原因と影響を正確に分析することが必要だ、と述べた。

ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相はルクセンブルクで、「代案は一つだけ、すなわちリスボン条約の批准手続きを継続することだ」と語った。ドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)とフランスのニコラ・サルコジ大統領は、首脳会議の席で他の加盟国の首脳に対してこのような対応を求める意向である。しかしEU議長国スロヴェニアのディミトリ・ルーペル外相は、EUはアイルランドの「ノー」で阻止されているのでこのような戦略は危険だとの考えを表明した。今は「熟考と分析の時間となる」とルーペル外相は主張した。

加盟27ヶ国中、まだ8ヶ国の議会はリスボン条約の批准を終えていない。水曜日に行われるイギリス上院での表決に注目が集まっている。

EUが速やかな解決策を見出せない場合、バルカン諸国へのEU拡大の計画は危機に瀕する。ドイツ政府のウルリヒ・ヴィルヘルム広報官は、予定の改革が実現しなければ新規加盟国の受け入れは不可能だと述べた。これは2010年の加盟を望んでいるクロアチアにまず当てはまる。

ポーランド、スロヴァキア、チェコの首相はプラハでの共同会見で、このようなEU拡大の停止に警鐘を鳴らした。「リスボン条約に対する涙や嘆きが優勢になるのはEU全体にとってきわめて良くない」とスロヴァキアのロベルト・フィツォ首相は語った。

原題:EU hat nach Nein der Iren keine schnelle Loesung parat




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